EunHae-②(タイトル未定)

着信音が部屋中に鳴り響いて、静かだった部屋が一気に騒がしくなる。スマホを見るとヒョクのことを考えちゃうから、わざと手に届かないようなところに置いておいたのが間違いだった。

慌てて飛び起きて、デスクの奥のほうに追いやっていたスマホにしがみつく。電話が切れたらどうしようって思ったら、半ば無意識に画面を勢いよくスライドしてしまった。

「あ・・・っ、はい!!」

「わっ・・・・・・ドンヘ?もしかして、寝てた?」

受話器越しからも、ドンヘが慌てて電話に出た様子が伝わったようで、ヒョクがごめんって直ぐに謝る。

「・・・・・・だ、大丈夫・・起きてたよ」

やばいヒョクだ、ヒョクの声だ。聞き慣れているはずなのに、ものすごく久しぶりすぎて、まるで初めて好きな人と電話をしているかのような気持ちになる。どうしよう、言葉があとに続かないよ。

「・・・・・・」

「ヒョク・・・?」

お互いの間に流れるたった数秒程度の沈黙。でも、彼の声が1秒でも聞こえないのが苦しくて、不安になってつい名前を呼んでしまった。そこからさらに数秒経ったあと、ヒョクが大きな声でドンヘ!!って俺の名前を叫んでくれたから、思わず顔がほころんでしまった。

「あぁ、もう!!すっげぇ声聞きたかった!!ドンヘ全然俺に連絡してくれないんだもん」

「だ、だって・・・」

「・・・わかってる。どうせ、俺の仕事の邪魔になるからとか言ってさ、変に気を遣ってたんだろ」

「う・・・・・・だって、忙しくなるって言ってたじゃん」

「言ったけど、どれだけ忙しくてもドンヘの電話だったら絶対に出るぜ?なんかもう悔しくなってさ、数日間連絡取らなかったら、ドンヘから電話くれるかなって・・・少し意地張っちゃったよ」

少しトーンが下がるヒョクの声を聞いて、ドンヘの心がぎゅうっと締め付けられた。どれだけ忙しくても、ヒョクはこの数日間俺からの電話をどんな気持ちで待っていたんだろう。

寂しいなら、うだうだ考えずに電話すれば良かったんだ。

「・・・・・・ごめん、怒ってる?」

「なんで?怒ってないよ、俺はそういう馬鹿みたいに気遣うドンヘが大好きなんだから」

「ヒョク・・・」

「でもさ、たった数日なのに、声が聞けないだけで気が狂いそうだったよ・・・」

「・・・おれ、も・・・俺もだよ・・・」

ヒョクがドンヘって囁くと、耳から身体中にピリピリと電流が走るような甘い刺激に襲われる。

受話器越しに聞こえてくる彼の唇の動き。どんなに小さな動作でも一つ漏らさず音にして耳に入ってくるから、いつも以上に敏感に反応してしまう。ヒョクがスマホの画面にゆっくりと唇をあてると、その音がまるでキスをしているようで、馬鹿みたいにヒョクのことを想像しちゃうよ。

「ん・・・ヒョク・・・」

「会えるまで我慢できないよ・・・・・・」

 

 

続。

つづくよ。

 

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