あわてんぼうのサンタクドンヘ

シウォン×ドンヘ

 

シウォンの部屋に入った瞬間、あまりの部屋の暗さに目が慣れないドンヘは、何かに躓いてしまった。思ったよりも大きな音が響いて、ドンヘはビクッと身じろいてしまう。だって今日の俺はサンタなんだ。だからシウォンに気付かれないようにして、プレゼントを枕元に置かないといけないというのに。
ドンヘはしばらく、身を潜めるようにして辺りを見渡す。すると、次第に目も慣れてきて、ぼんやりと部屋が見えるようになってきた。シウォンが寝ているベットをそっとみると、目を閉じて静かな寝息を立てている。ドンヘはホッと胸を撫でおろすと、そろりそろりとシウォンに近付く。そしてプレゼント袋の中に手を突っ込んで、今度は驚きのあまり声を出してしまった。

「‥‥‥あ!!」

なんとここにきて、プレゼント袋の中にプレゼントを入れ忘れるという、大失態をしでかしてしまった事に気付き、思わず涙ぐんでしまう。

「う‥‥‥シウォン、ごめんね‥‥‥」

ドンヘはそっとシウォンの唇にキスをすると、逃げるように部屋を後にした。

「‥‥‥?」

ドンヘが部屋を出て行った後、シウォンはその大きな瞳をパッチリと見開く。ドンヘが入って来て、躓いて大きな音を出した時に、実はもう起きてしまっていたんだ。横目でちらりと侵入者をチェックしたら、ドンヘだという事が解ったから、よく解らないまま、寝たふりをしていたんだけれど、まさかキスだけをして去っていくとは思わなかった。
今日の事はドンヘに聞くべきなのか、それともそのまま、気付かないふりをしてあげるべきなのか。とにかくシウォンは、せっかくのクリスマスなのに、変にもやもやが残ってしまったとさ。

 

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