キュヒョン×ソンミン
ソンミンは吐く息の白さに冬が近づいて来ているのを感じながら、深夜、誰も居ない裏道を独りスタスタと歩く。手が酷くかじかんできて、そろそろ手袋が必要なのかもしれないなんて事を思いながら、ゆっくり歩いていると、後ろからいつもの聞きなれた声が聞こえてきた。
「ソンミン」
キュヒョンの声は心地良くて暖かい。だから、思わず笑顔になってしまう。
「キュヒョン、こんな所で何してるの?」
「さぁ、何してるんだと思う?」
「・・・・・・何それ、質問したのは俺なんだから、質問で返さないでよ」
本当にキュヒョンは、ひねくれたマンネなんだからって思ったら、ソンミンは思わず声に出して笑ってしまった。するとキュヒョンがちょっとムッとした表情を見せるから、ソンミンは軽く咳払いをする。キュヒョンはそのままソンミンの手を掴んで、自分のコートのポケットに強引にねじ込んできた。ポケットの中で、指と指を絡ませながらお互いに優しく握り合うと、キュヒョンの優しさが次第に暖かくなって、ソンミンの心の中にまで染み渡っていく。
「キュヒョン・・・・・・」
「何このソンミンの手、氷の様に冷たい」
「う、ごめんね・・・・俺なら大丈夫だから、キュヒョンの手が冷えちゃうから離していいよ?」
「・・・・別に、嫌だなんて言ってないじゃないですか」
そして続け様に、俺が温めてあげる、なんて言ってくれるなんて、ソンミンがキュヒョンの言葉に素直に驚くと、キュヒョンの耳が真っ赤になってしまった。何だかものすごく嬉しくなってしまったソンミンは、空いているもう片方の手も強引にキュヒョンのポケットに突っこんで、じゃあ、遠慮なく温めてって甘えた声を出してみる。すると、やりすぎたみたいで、何してるんですか!!って怒らせちゃったんだ。
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「や・・・・・・エッチ」
「ほらソンミン早く来て。手だけじゃなくて、全部温めてあげるから」
部屋に着くと、半ば強引にキュヒョンに連れて行かれて、そのままベットに座らされる。だからソンミンは思わずエッチって呟いてしまった。こうなるのは何時もの流れなんだから、解っているはずなのに。お互いの存在を確かめるように重ねるキスは深くてとても甘い。そんなとろけるような行為の中で、今日もソンミンはキュヒョンの腕の中で果てていく。
「ん・・・・ひぁ、何?くすぐったいよ」
行為が終わった後、ソンミンの耳たぶにそっと鼻先をあてて、優しく舐めてくるキュヒョンが、変に甘くてくすぐったいから、ソンミンの身体はまた熱くなってしまって、思わず変な声を出してしまった。
「ソンミンの身体って、ものすごく甘い匂いがするから・・・・・・」
「馬鹿・・・・・・これ以上は、ダメ、舐めないで」
俺の身体はもう、キュヒョンが居ないと生きられないんだろうな。そう思うのは、毎日どれだけ身体を重ねても、こうしてちょっと身体の一部を触れられただけで、またキュヒョンの事を求めてしまうから。
「・・・・ね、もう一回・・・・・・」
「ダメだよ、キュヒョン・・・・仕事に影響しちゃうでしょ?」
「じゃあ、エッチはしないから、今日は一緒に居てくれる?」
ソンミンが理性を抑えながら、これ以上はダメだって言うと、狙ったような上目遣いで、俺の事をヒョンと呼びながらおねだりをしてくるキュヒョン。年下の持つ可愛さと狡猾さは、可愛さが売りのソンミンでもキュヒョンには適わない。
「・・・・・・解ったよ、もう!!」
俺の返事を聞いた途端、ニヤリと不敵な笑みを浮かべるキュヒョンを見て、ソンミンは解りやすくため息をついてみせた。何時かキュヒョンと、こんな風に毎日のんびり暮らすことが出来たらいいのに。なんて、ソンミンは到底叶える事なんて出来ないような夢物語を想像してみる。俺たちがSUPERJUNIORである限り、そんな願いは叶う訳無いのに。
「何時までも、こうして居れたら良いのに・・・・・・」
「キュヒョン・・・・・・」
ソンミンは、キュヒョンの腕の中に入って先にゆっくりと瞼を閉じた。キュヒョンも頑張って瞼を閉じるんだけれど、なかなか寝付けないみたいで、しばらく変に動いたりするその仕草が可愛くて仕方ない。今は、どれだけ忙しくても、こうしてお互い寄り添っているだけで幸せなんだ。そして、同じ事をキュヒョンが想ってくれているだけで、俺は明日も頑張れる。
せめて夢の中だけでも。
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※キュヒョンのソンミンを負かせる笑顔を直で見てみたい。。