「トゥギ!!何してんの?」

「ん・・・」
「またヒチョルか?あいつはお前の事をからかってんだよ。もう相手にすんなって」
 ヒチョルは通っている大学でもかなりの有名人だ。キレイな顔立ちで黙っていれば可愛いのに、何故かイヤなウワサが後を絶たない。まぁ、そのウワサっていうのも程度が低くて、援助交際をしているだとか付き合っている彼氏は何十人も居るだとかそんな類のものなんだけれどね。
 彼の性格を考えれば、それくらいのウワサなら別に気にもしないだろう。まぁ彼も否定もしなければ肯定もしない・・・いや、むしろ思っても居ないのにウワサ通りですよといった感じの事を言ってしまうから良くないのだろうけれど。
 そんな俺とヒチョルとはもう何十年も一緒に居る、世間で言う幼馴染という奴だ。家がご近所で、小さい頃は本当にもう可愛くて、憎まれ口なんて全然叩かなくて俺の後ろを一生懸命ついてくるような可愛いヤツだったのに、一体ヒチョルは何時からあんな風に変わってしまったのだろうか。

 さて、今日も授業の空き時間を狙って何度もヒチョルに電話をしているのだけれど、今日はなかなか何処に居るのか全然言ってくれなくて流石に困っていたところだった。ヒチョルとは正反対で真面目・成績優秀なイトゥクにはもちろん友人が沢山居る。俺とヒチョルの関係を知った上で、もう彼と一緒に居るのはやめた方が良いと助言をしてくれるヤツも多い。

「・・・・・・あれ」

「おい、次の授業始まっちゃうぞ」
「あ、うん・・・ごめん、あのさ用事が出来たから代返頼んで良いかな?埋め合わせは絶対にするから!」
「あ、おい・・・!!ったく、解ったよ」
「本当にゴメンね!!」
 ダメ押しで掛けた電話が、何回かの着信の後に切られてしまった事で違和感を感じたイトゥクはすぐさまもう1度掛けたんだけれど、今度は電源を切られてしまったようで一向に繋がらなくなってしまった。

 こんなことは初めてだ。今まで着信を無視されることはあっても、意図的に切られることなんて1度も無かった。ましてや電源を切られるなんて。

「・・・・・・イヤな予感がする」

 確信なんてある訳ない、そうこれは只の勘だ。何だか心の奥がザワザワしてイヤな予感がする。ヒチョルを探すために授業を休むなんて滅多にしないけれど、今日は考えるよりも先に足が勝手に動いていた。

 

 

 

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