犬(ドンヘ)だって嫉妬する-1

 俺は今、ものすごく怒っている。だって、せっかく早く仕事が終わったからキュヒョンに会いたかったのに、チャンミンと飲みに行くんだって言われてしまったから。夜遅くなっても良いから、俺待ってるねって返したのに、今度は既読すら付かないなんて、酷すぎると思わない?

「もう、一体何なんだよぉ!!」

 ソファの上でモヤモヤしながら、ドンヘがスマートフォンを握りしめている。明日も仕事だから早めに寝ないといけないのに、キュヒョンのことが気になってしまって眠ることも出来ない。
 日付が変わって、もう深夜2時をまわろうとしている。きっと彼は酔っぱらって、そのまま眠ってしまっているのだろう。どうせ、チャンミンに自宅に送ってもらっているのに違いないんだ。せめて酔いつぶれても良いから、俺に迎えに来るように連絡が来れば良かったのに。

「・・・・・・寝れない」

 明日、バカみたいに「ごめんね」のメッセージがたくさん着ても、何1つ読んでやらないんだ。そう決めて、気持ちを切り替えて寝ようと思った時に、鳴って欲しかった、でも今鳴っても困る、キュヒョンからの電話が掛かってきた。
 しばらく画面を見て、このまま無視してやろうかどうか迷ったけれど、彼は俺がこういうのを無視できない性格だっていうのを知っている。

 俺のほうが年上なのに。悔しいけれど、何時もキュヒョンには勝てない。

「・・・・・・もしもし」

 着信が切れたら、それはそれで気になって眠れなくなるし、俺は怒ってるんだから、俺からかけ直したくなんてないもん。だから、俺はキュヒョンに一言いってやりたいから電話に出るんだ。本当はかなり嬉しい気持ちを抑えつつ、ちょっと怒っている風に電話に出ると、電話口から聞こえてきた声は、愛しい彼の声ではなかった。

「あっ、ごめ・・・!!寝てたよね?!」

「え・・・あ、チャンミン?」
「本当にこんな時間にゴメン!!あのね、キュヒョンがどうしてもドンヘのところに行くって言ってうるさいんだよ。今から連れて行っても大丈夫?」
「連れて・・・って、今から?」

「やっぱ迷惑だよね?本当にゴメンね。大丈夫!今日は俺の部屋にキュヒョン泊めるよ」

「・・・っ、あ、待っ・・・」

 チャンミンは俺に迷惑を掛けたらいけないって思ったから、ゴメンねって謝って電話を早く終わらせたのは解るんだけれど。俺もハッキリ言えば良かったっていうのは解っているんだけど。キュヒョンがチャンミンの部屋に泊まるって聞いた瞬間、俺の心はモヤモヤがMAXになった。

「・・・バカ」

 もう、絶対知らない。キュヒョンなんて・・・知らない!

 

 

 

ブログランキング・にほんブログ村へ
☆宜しければポチっと☆