「・・・・・・痛っ」
頭に響き渡る、鈍い痛みで目が覚めるなんて何年振りだろう。ダルくて身体が動かせない。本当だったら、日付が変わる前にドンヘのところに帰りたかったのに、チャンミンと呑んでいたら嫌なことがあって、気付いたら夜中で自棄になっちゃって・・・。
ってそうじゃない、俺はちゃんとドンヘに謝ったっけ?取り敢えず、隣で寝ているようだから、ちゃんと謝らないといけないか。
「・・・ドンヘ、昨日はすみませんでした」
「・・・・・・」
「・・・怒ってます?」
「・・・・・・」
「ド・・・・・・!!」
「・・・ドンヘ、じゃなくてゴメン・・・・・・っ」
布団全部被って姿形は見えないけれど、隣に間違いなく人のぬくもりは感じる。ドンヘの部屋にいると思ったキュヒョンは、そこに居る人物が誰か確かめることなく謝り続けた。何時もだったら、向こうが根負けして、ふてくされた可愛い顔を見せてくれるのだけれど。なかなか顔を出してくれないからキュヒョンがめくってみると、そこにはドンヘじゃなくて笑いを必死に堪えているチャンミンが居た。
知らなかったとはいえ、ドンヘにしか見せない俺を、一瞬でもチャンミンに見せてしまったことがとても恥ずかしくて、キュヒョンの顔が一気に真っ赤になる。
「・・・何で、お前が隣に居るんですか!!って、あれ・・・此処!!」
頭が痛いのと、取り敢えずドンヘに謝らないといけないという気持ちが先行して、此処が何処かなんて考える余裕がなかった。っていうか、ドンヘの部屋に居るもんだと完全に思い込んでいた。よくよく見渡してみると、チャンミンの部屋じゃないか。
「いや、だって・・・っ、すごいベロンベロンでドンヘのところに行くって、いくら恋人でも迷惑でしょ。一応電話したけど、やっぱり眠そうだったから、俺のところに泊めるよって事だけはちゃんと伝えておいてあげたよ」
「は?・・・ちょっと待って、俺が今チャンミンの部屋に居るの、ドンヘ知ってるんですか」
「なんだよ、知らなかったら黙ってるつもりだったの?それは流石にどうなの?俺たち別にやましいことなんて何もしてないのに」
「ぐっ、そりゃあ、そう・・・です、けど・・・・・・」
「まぁ・・・昨日は俺も仕方なかったとは思うけどさ」
「・・・・・・もう、行きます」
「あ、うん」
「チャンミン・・・ごめん、ありがとう」
「俺はいいから、早くドンヘのところに行ってあげなよ」
何もかもが最悪だ。昨日あんなことが無ければ、普通に早めに切り上げて、ドンヘのところに行ってたのに。嗚呼、今日は何時から仕事だって言ってたっけ?取り敢えず早く会って、ちゃんと彼の目を見て謝ろう。
チャンミンが住んでいるマンションから出たキュヒョンは、タクシーを呼んで急いでドンヘのところへと向かった。
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