Smoker-04

 病室のベッドでただ寝ているだけ。いや、ぶっ倒れて意識を失ったのだから、安静にしていないといけないというのは解っているけれども。日頃から忙しいのを当たり前にして生きているイトゥクにしてみたら、この何もない、何もしてはいけないという時間は苦痛でしかなかった。
 なかなかデビューが決まらなくて、出来ることは何でもしてきたからこそ、世間にSuperJuniorが認知されるようになってからも、変に落ち着くのが怖いっていうか。とにかく何でも一生懸命に、完璧にこなさないといけないと思って、今まで頑張ってきたのに。

「・・・こんなこと、してる場合じゃないんだけどなぁ・・・・・・」

「お、大人しくしてるか?」
「あ・・・シンドン」

 ぶっ倒れてしまった自分自身が情けなくて、泣いてしまいそうだったところで、これまたタイミングよくシンドンが病室に入ってくるから、慌ててイトゥクは指でゴシゴシと目を擦る。

「なんだよ・・・我らがリーダー様は、何処でも泣き虫だなぁ」

「だって・・・俺、リーダーなのに、みんなに迷惑掛けてるし」
「そんなこと考えていたのか?・・・バカだなぁ、こういう時は素直にメンバーに甘えても良いんだよ」
「俺がそういうの、素直に甘えられない性格だっていうの知ってるだろ」
「そうそう、とっても面倒な性格してるんだったな」

 シンドンなりに気を遣ってくれているのだろう。俺が泣いていたことも、上手に笑いに変えてくれるから、幾分か心を落ち着かせることが出来る。嗚呼、やっぱりメンバーがたくさんいるからかな、1人でこんな大きな病室に居るのは、とても辛くて耐えられないよ。

「・・・辛いよ」

「まぁ、正直言って、俺もこんな広い部屋に1人っていうのは辛いな」
「解ってくれて嬉しいよ」
「俺たち賑やかだもんな。まぁ、特に問題が無ければ早く退院して、自宅でゆっくりしていたほうが良いんじゃないか?」
「・・・・・・やっぱり、仕事はしちゃダメ?」
「それは・・・ヒチョルが絶対にダメって言うだろうな」

「あ、そうだ!!」

 シンドンとの他愛のない話が面白すぎて、聞きたかったことをすっかりと忘れていた。イトゥクが思い出したと言って、昼間のドンヘとのやりとりをシンドンに聞かせると、さっきまでニコニコと笑顔で会話をしていたシンドンの表情も真剣になった。

 

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