「え？！・・・別れたの？」
ドンへがその可愛らしい瞳をクリクリと丸くさせて、じっと俺の目を見つめてくる。ドンへが驚くのも無理は無い。付き合って1ヶ月という短さもそうだけれど、前回ドンへに会ったときには、その彼女と付き合うという報告をしたばかりだったからだ。
っていうか、何時もそうだ。女性と付き合っても、あまり長く続かない俺は、ドンへに一体何人もの彼女を紹介して、別れたという報告をしているのだろう。ドンへは1人の女性一途に大切に想うタイプだから、いい加減呆れているかもしれないな。
「ヒョク・・・その、さ」
ドンへがチラチラと俺の顔色を窺いながら、何かを言おうとしている。嗚呼、流石に怒られるかもしれないな。と、覚悟して、何？って答えると、一瞬沈黙が流れた。
「頬・・・早く冷やしたほうが良いよ。台所借りるね」
「え？・・・あ、嗚呼、そうだな」
「ちょっと待ってて」
拍子抜けした。まさか、俺の頬の心配をされるとは。ヒョクが悪いんだから、顔が腫れてもちゃんと仕事するんだよ！！くらい言われると思ってたのに。