ドキドキする。

俺達は「恋人同士」になったのだから、男同士だからとか気にしないで、「お付き合い始めました記念」みたいなものがあっても良いのかもしれない。ここ最近、全く女性とは縁遠く、真面目に仕事一筋だったから、相手に対する気遣いとか、すっかり忘れていた。っていうか、相手がヒョクだし、もう何年も一緒に居るし、恋人では無いけれど、身体の関係はあったからこそ、余計そんな事忘れていたよ。
意外とヒョクって、そういう所はしっかりしているというか、細かい気遣いは忘れないよなぁ。とか、頭の中で色んな事を考えながら、部屋全体を改めて見渡す。すると、ヒョクが俺の為に用意してくれた、この部屋が、ものすごく豪華に見えてきた。
ドンへは、次第に本当に女の子のような気分になり、急にドキドキしてきて、ヒョクの顔をまともに見る事が出来なくなってしまった。
「・・・ドンへ?」
「え?・・・いや、その・・・はは、なんでもないよ」
「あのさ、俺・・ドンへに謝らないといけない事が沢山あるんだ」
「謝る・・・?」
2人きりの時にはあまり見せないような真剣な眼差しに、ドンへは少しばかり緊張を覚えた。

 

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