兄弟。

「兄さ‥‥ん‥‥‥」

仕事が終わって部屋に戻ると、イェソンのベットの前で苦しそうに倒れているドンへが居た。俺の部屋に来ることで、何とかして理性を保とうとしていたのだろう。激しい頭痛に耐えながら、両手で頭を押さえている。
イェソンが慌ててドンへの傍に行き、そっと頭に手を乗せる。すると、突然右手を掴まれて、あっという間にベットに押し倒されてしまった。

「へへ‥‥‥お腹空いた」

「んっ‥‥‥解った、から、手を離せ‥‥っ」

イェソンの顔を見て、ドンへが安心した瞬間を狙ってコイツは入れ替わったらしい。ドンへの顔を覗き込んだ瞬間に見せた笑顔で気付いたのに、相手の方が動きが早くて、かわす事が出来なかった。
見た目は同じなのに、性格は180度違うドンへがニヤニヤしながらイェソンを真っ直ぐに見つめている。そして、イタダキマス。って小さい声でイェソンの耳元で囁くと、そのまま口を大きく開けて、イェソンの唇を優しく舐める。無理やり自分の舌でイェソンの口をこじ開けて、お互いの舌を絡めながら、精気を吸い取っていく。
仕事帰りで疲れている身体に、食欲旺盛なコイツに責められると、このまま消えて無くなってしまいそうだ。別にドンへのためなら、死んだって構わないけれど、コイツを放置したまま死ぬことなんて出来ない。出来るわけがない。だから俺は、何があっても生き続けなくてはいけないんだ。

「ふ‥‥‥っ、は!!」

「少しセーブしてあげたから、まだ元気だよね?今日は、これだけじゃ満足出来ないんだ」

「んっ、ドンへ‥‥‥」

イェソンが抵抗する間もなく、ドンへの右手がイェソンのズボンに触れて、当然のようにチャックを下していく。人差し指を使って、あらわになった先を優しく撫でられるんだけど、反応はしても感じる事が出来ない。すると、ドンへが仕方ないなぁって呟いて、さっきまで精気を吸い取っていた口を大きく開けて、ペロリと舌を出した。
俺は、ドンへに口でされるのが一番弱い。コイツもソレを知っているから、わざとギリギリまで精気を吸って、抵抗出来ないようにしてから弄ぶ。ドンへが先を優しく舐めると、今度は敏感に反応をして、あっという間に大きくなってしまった。

「へへ、兄さんは本当に口でされるの、大好きだよね」

「やめ、ろ‥‥‥も、これ以上は‥‥‥っ」

「兄さぁん、お願い‥‥俺のも触って?もう、我慢出来ないの‥‥‥」

俺の目の前にお尻を向けて、大胆にまたがっているドンへが、空いている手でゆっくりとズボンを下していく。こんなのドンヘじゃない。解っているのに、俺はいつもコイツの誘惑に勝てなくて、流されてしまう。
ドンへ、ごめん。イェソンは心の中で謝りながら、ドンへの大きくなった下半身に優しく触れて、扱き始める。すると、ピクピクと反応して、小さい声で、まるでドンへを演じるかのように喘ぎ声をあげるアイツがムカつくんだけれど、身体は正直に反応してしまうんだ。

 

結局今日も、俺は誘惑に負けて、ドンへに全てを捧げてしまう。

 

「ん‥‥‥わあっ、あれ、俺‥‥‥また?あ、いててて」

「ドンへ、あまり急に動かないほうがいい。そのまま寝てろ」

「う、おしり痛い‥‥‥兄さん、ごめんなさい‥‥‥お、おれ‥‥‥」

アイツに意識を奪われている間の記憶は幸い無いけれど、ドンへは自分の中にもう一人別の人格が居るっていう事には気付いている。そして、その人格がどんな性格で、俺に何をさせているかというのも気付いている。
だから意識を取り戻すと、毎回毎回目を真っ赤に腫らして、ポロポロと涙を零すドンへを見るのが辛くて、イェソンの心は潰れてしまいそうになる。ドンへじゃないっていうのは解っているけれど、最終的に俺は、ドンへだという事にして、身体を重ねてしまっているんだ。必死に抵抗しているどころか、半分受け入れてしまっている。俺のそんな気持ちに気付いているからこそ、アイツもつけ込んでくる訳で。

それにしても、ドンへの精気を求めるペースが早くなっているほうが心配だ。

 

「そろそろ‥‥‥サヨナラか」

 

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